【まかせてAIデシャップ】AIが厨房オペレーションを支援し、調理品質と働きやすさを両立


株式会社五味八珍
営業本部 営業部長 山本 隆晴 様
直営事業部 マネージャー 曽布川 宗孝 様
導入前の課題
「お客様に食べることの素晴らしさを知っていただき、心から満足していただくこと」——。
この理念のもと、中華ファミリーレストランを中心に直営41店舗を展開する株式会社五味八珍では、長年“熱々の料理を同時に提供する”ことを店舗運営の基本としてきました。
しかし、ラーメンや餃子、炒飯など多様なメニューを扱う中で、「同盆(同じお盆での提供)」「同卓(同じテーブル全員への同時提供)」を実現するには、デシャップ(調理指示・提供管理)の熟練度が必要でした。
時には、店長や上司が2人体制で入らなければ厨房が回らないほど属人的になっており、「商品部が良い商品を作っても、オペレーションで品質を届けきれない」という課題を抱えていました。
この課題を根本的に解決するため、五味八珍は株式会社ジャストプランニングとともに、2年間にわたりAIを活用した新しいデシャップシステムを共同開発。実証実験を重ねたうえで、2025年9月、天王店にて「まかせてAIデシャップ」の本格運用を開始しました。
導入の決め手は?
開発・導入にあたって重視したのは、「現場の感覚を崩さずにAIが支援すること」。
AIが注文内容・調理時間・厨房機器のキャパシティをもとに、最適な調理順序と提供タイミングを自動で計画。
「麺」「鍋」「揚げ」「炒め」など各ポジションのタブレットに表示され、スタッフはその指示に従うだけで自然と“同盆・同卓”が成立します。
「経験や勘に頼らず、誰でも同じ品質でオペレーションできる環境を作れる」という点が、導入の大きな決め手となりました。
導入後の効果について
■ 提供時間と品質の安定化
繁忙時でも全メニューを決められた提供時間内で安定提供が可能。AIが調理順序を自動調整し、複数注文や同一メニューのまとめ調理も最適化。
結果として、提供タイミングのバラつきがなくなり、“同盆・同卓・常に熱々で出せる”環境が実現しました。
■ 厨房の雰囲気改善
指示の声掛けが従来の半分に減少し、厨房内が落ち着いた空間に。
スタッフ同士の無駄な掛け合いが減り、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」といった接客の声に回せる余裕が生まれました。
現場からは「整然と回るようになった」「パネルを見れば安心して動ける」と好評です。
■ 教育の効率化と早期戦力化
AIがオペレーション全体を制御することで、教育はワンポジション単位で完結。動画マニュアルと組み合わせることで、新人でも短期間で即戦力化が可能に。
指導方法の違いによる摩擦も減り、現場の雰囲気も改善しています。
■ 商品開発との連携強化
AI導入をきっかけに商品部と営業現場の連携が深化。「物理的に決められた提供時間内で出せるか」をシステム上でシミュレーションできるようになり、
メニュー開発とオペレーション設計の連動が可能になりました。
■ 回転率・顧客満足度の向上
提供時間が安定したことで12時台の客数が増加傾向。滞在時間の短縮と回転率向上により、「お客様の満足度」と「売上効率」の両立が進んでいます。
導入後のサポート対応
開発段階からジャストプランニングの担当者が実店舗に入り、現場の調理工程や設備構成に基づいてAIロジックを調整。
導入後も運用データをもとに最適化を続けています。
「意見を反映してくれる」「設定変更にも柔軟に対応してくれるので安心できる」と、心強いサポート体制だと感じています。
今後の展望
今後は店舗全体の生産性と働きやすさを高めるために、人・情報・仕組みの面でのDXをさらに進めていきたいと考えています。
スタッフ一人ひとりのスキルや稼働状況を見える化し、教育・配置・評価までを一元的に管理できる仕組みづくりを期待しています。
また、現場と本部の情報共有についても、勤務中でも確認や既読管理ができる店舗内コミュニケーションツールがあると理想です。
こうした“人と運営の見える化”を支える仕組みを、ジャストプランニングと一緒に形にしていきたいと考えています。
株式会社五味八珍
ブランド名:五味八珍

中華ファミリーレストランチェーン
設立:1970年(昭和45年)
事業内容:中華ファミリーレストランチェーン展開、中華食品製造、食材販売
創業当初は餃子のテイクアウト専門店からスタートし、名物の浜松餃子をはじめ、幅広い中華料理を提供しています。
「安心・安全」「食べることの素晴らしさ」を理念に掲げ、直営41店舗を展開中。
※掲載内容は取材当時のものです。

