“人時売上”で見える、利益を生むシフト管理とは?
はじめに:人件費は“コスト”ではなく“戦略資源”
人件費と聞くと、「いかに削るか」という発想になりがちです。
しかし、飲食チェーンの経営において人件費とは、“どこで・いつ・誰を配置するか”という最重要の経営レバーです。
「人が足りないから売上が上がらない」
「人を入れすぎて原価割れしている気がする」
──このような現場の声はよく聞かれますが、実際にそれをデータで判断・検証できている本部や店長は、まだ少数派です。
本記事では、“人件費を使いこなす”ための「人時売上」可視化について解説し、
利益に直結する「シフトの見直し」がデータで行える仕組みを紹介します。
人時売上が見えないと、なぜ現場判断はブレるのか?
人時売上(人件費生産性)**とは、
「1時間あたりに1人のスタッフが生み出す売上」のこと。
人時売上:人時売上 = 売上 ÷ 労働時間数
この指標が見えていないと、次のような“感覚的マネジメント”が蔓延します:
- ■ピーク後にも人が余っていたことに、月末まで気づかない
- ■閑散時間帯に正社員を厚めに配置してしまっている
- ■新人とベテランのコスト差が反映されない“時給平均”管理
こうしたブレを放置してしまうと、人件費率が高止まりし、営業利益が想定以上に削られていきます。
売上と勤怠を連携させるだけで見える“ムダとチャンス”
では、どうすれば人時売上をリアルタイムで把握できるのでしょうか?
答えはシンプルです。
「売上」と「勤怠」を連携して、時間帯別・日別・店舗別に可視化すること。
具体的には以下のような仕組みが理想です:
連携するデータ | 役割 |
---|---|
POS(売上データ) | 時間帯別の売上構成、ピークの把握 |
勤怠管理(シフト/実績) | 誰が何時に働いたか、実労働時間 |
時給・役職データ | 原価への換算と人件費率算出 |
これらが自動連携することで、以下のような「可視化」が可能になります:
- ■ 14:00~16:00は売上に対してスタッフが多すぎる
- ■ ランチ後に早番のパートを1人減らせば、日次利益+1.8万円
- ■ 繁忙時間に新人が多く、提供時間が落ちている
このように、数字が「配置のミス」「伸ばせる時間帯」「無駄なシフト」を明確に教えてくれるようになるのです。
モデルシフト × スキル連動配置で人件費コントロールを仕組み化
実際に、まかせてネットを導入したある190店舗チェーンでは、
店舗ごとの営業に必要な人員をあらかじめ定義した「モデルシフト」を活用し、シフト作成時点で必要人件費の可視化を実現。
さらに、従業員ごとにスキルランクを設定し、特定スキル保有者が不足している時間帯をアラート表示することで、
“人がいるのに仕事が回らない”といった状況を未然に防止しています。
これにより、店長は希望シフト・販売計画・人件費予測をもとに、最適なシフト配置を短時間で作成できるようになりました。
店長が現場で確認するだけでなく、本部でも店舗ごとの人件費効率を一覧で比較できるため、
「支援が必要な店舗」と「模範的な配置ができている店舗」が明確に見えてきます。

実例紹介──“配置の見直し”だけで利益改善
導入事例|190店舗チェーン:シフト管理の属人化から脱却
ある190店舗規模の飲食チェーンでは、店長の経験則や勘に頼ったシフト作成が続いており、
適正な人員配置の判断が困難な状態にありました。
また、Excelを使ったシフト調整に多くの時間がかかり、人件費コントロールが属人化・ブラックボックス化していたことも課題でした。
解決策:モデルシフトと人件費データの自動連携
まかせてネットを導入したことで、次の3つの大きな改革が行われました:
- ✅ モデルシフトの導入
各店舗の営業に必要な「標準人員配置」をモデル化し、日別の基準を明示 - ✅ シフト作成時の人件費比較
「モデル」「予定」「実績」それぞれのシフトをもとに、人件費を数値で比較できるように - ✅ スキルランクに応じた自動配置
必須スキルを持つ従業員が不足するとシステムがアラート表示し、適正配置を支援
導入効果:コスト削減+業務効率化+最適配置を実現
これにより、店舗ごとの判断にばらつきがあった人件費管理が仕組み化され、 「適正な人件費管理が可能になり、コストが最適化」されました。
また、シフト作成業務にかかっていた時間も大幅に短縮され、 業務負担が軽減+スキルレベルに応じた最適な人材配置が実現しました。
このように、「働き方を変える」のではなく「配置を変える」だけで
十分に利益は改善できるという実例です。
まとめ──“人時売上”が見える組織は、利益も育つ
属人的なシフト作成や「なんとなく人を入れる」文化から脱却するには、
データで“根拠のある判断”ができる仕組みが不可欠です。
まかせてネットなら、POSや勤怠管理システムと連携し、誰でも「人時売上」を理解しながらシフトを組める体制が作れます。
そして、利益が上がる店舗では、例外なくこうした「数字での改善文化」が根付いています。
今こそ、人件費を「削る対象」から「利益を生む戦略資源」へと捉え直すときです。
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