2026年7月21日

入社書類の電子化とは?多店舗企業の入社手続きを効率化する方法

入社書類の電子化とは、雇用契約書や労働条件通知書、誓約書、交通費申請書など、入社時に必要な書類の作成・提出・確認・保管をデジタル化することです。

特にアルバイトやパートの採用が多い多店舗企業では、紙の回収、不備確認、本部への郵送、勤怠システムへの転記が大きな負担になります。
この記事では、入社書類を電子化するメリット、導入方法、システム選定のポイントを解説します。
あわせて、入社手続きから雇用契約、勤怠連携までを一つの流れで管理する考え方も紹介します。

紙の入社手続きで発生する店舗・本部の負担

飲食店や小売店などの多店舗企業では、アルバイトやパートの採用が店舗ごとに発生します。
採用人数が増えるほど、書類の配布、記入、回収、不備確認、本部への送付、データ入力といった入社手続きも増えていきます。

紙を前提とした運用では、書類が今どこにあるのか、誰が未提出なのか、どの項目に不備があるのかを確認するだけでも時間がかかります。
入社書類の電子化を進める際は、単に紙をデータへ置き換えるのではなく、
本人の入力から雇用契約、店舗での確認、本部管理、勤怠連携までを一つの業務として見直すこと
が重要です。

多店舗企業における入社書類の電子化とは

入社書類の電子化とは、これまで紙で行っていた入社時の情報入力や書類提出、確認、承認、保管を、パソコンやスマートフォン上で行えるようにすることです。

新しく入社する従業員は、自分のスマートフォンから氏名、住所、連絡先、通勤経路などの情報を入力します。
必要書類もオンラインで提出できるため、店舗で用紙を受け取り、自宅で記入して、再び店舗へ持参するといった往復を減らせます。

紙の書類をPDFにするだけではない

入社書類の電子化というと、紙の書類をスキャンしてPDFで保存する方法をイメージするかもしれません。
しかし、スキャン後のデータを見ながら人事担当者が別のシステムへ手入力している場合、作業負担は十分に減りません。

本格的な電子化では、従業員本人が入力した情報をそのまま入社情報として利用し、雇用契約や交通費申請、勤怠管理などの後続業務へつなげます。
同じ情報を何度も入力しない仕組みを作ることが、業務効率化のポイントです。

入社前から入社後までをデジタルでつなぐ

入社手続きは、書類を提出した時点で終わりではありません。
入社後には、従業員情報の登録、社員番号やアカウントの発行、シフト作成、打刻設定、給与計算に必要な情報の準備などが続きます。

そのため、入社書類の電子化では、提出機能だけでなく、その後の勤怠管理や給与関連業務とのつながりまで確認することが大切です。

入社手続きを電子化する範囲の例

  • 入社予定者への手続き案内
  • 本人情報の入力
  • 必要書類の提出
  • 雇用条件の確認と雇用契約
  • 交通費や通勤経路の申請
  • 店舗責任者・本部による確認
  • 従業員情報の一元管理
  • 勤怠管理への連携

多店舗企業の入社手続きが煩雑になりやすい理由

多店舗企業の入社手続きで起こりやすい6つの課題

多店舗企業では、採用する店舗と人事労務を管理する本部が離れています。
そのため、一つの入社手続きを完了するまでに、新入従業員、店長、本部担当者の間で何度も書類や情報をやり取りする必要があります。

店舗ごとに書類の回収状況が異なる

店舗ごとに採用日や初出勤日が異なるため、本部には複数の店舗から入社書類が届きます。
郵送や社内便で回収している場合、書類が本部へ届くまでに時間がかかり、紛失や送付漏れが発生する可能性もあります。

本部担当者は、どの店舗の誰が提出済みで、誰が未提出なのかを、メールや表計算ソフトで個別に管理しなければなりません。

店長の業務負担が増えやすい

店長は、営業管理やシフト作成、スタッフ教育など、多くの業務を抱えています。
その中で、新入従業員への書類説明、配布、回収、不備確認、本部への送付まで担当すると、入社手続きが後回しになることがあります。

入社時の案内方法が店長の経験に依存すると、店舗ごとに説明内容や回収手順が変わり、運用が属人化しやすくなります。

記入漏れや読み取りにくい文字による差し戻しが発生する

手書きの入社書類では、記入漏れ、誤記、読みにくい文字、添付書類の不足などが発生します。
本部で不備を見つけた場合、店長を通じて本人へ確認し、再提出を依頼しなければなりません。

一度の確認で手続きが完了しないため、本人、店舗、本部のすべてにコミュニケーションコストが発生します。

勤怠システムなどへの二重入力が発生する

入社書類に記載された氏名、住所、雇用区分、入社日などを、本部担当者が勤怠管理や給与関連のシステムへ再入力している企業もあります。

転記作業には時間がかかるうえ、入力間違いや登録漏れの原因になります。
修正が必要になると、複数のシステムで同じ情報を更新しなければならない場合もあります。

個人情報を紙で管理する負担が大きい

入社書類には、マイナンバー、住所、生年月日、銀行口座などの重要な個人情報が含まれます。
紙の書類を店舗で一時保管し、本部へ送付する運用では、紛失や誤送付、第三者による閲覧に注意が必要です。

本部へ到着した後も、書類を分類し、適切な場所で保管し、保存期間に応じて管理・廃棄する必要があります。

入社書類を電子化する5つのメリット

入社書類の電子化で業務フローはどう変わる?

入社書類の電子化は、用紙を減らすだけの取り組みではありません。
店舗と本部の業務フローを見直し、情報の回収、確認、登録、活用を効率化する効果が期待できます。

メリット1:書類の配布・回収にかかる工数を削減できる

電子化すると、店舗で書類を印刷して手渡したり、記入後の原本を本部へ郵送したりする作業を減らせます。
入社予定者へオンラインで案内を送り、本人がスマートフォンから入力する流れに変えることで、場所や時間に左右されにくくなります。

店長が書類を預かって保管する必要も減り、営業中の事務作業を軽減できます。

メリット2:入力不備や差し戻しを減らしやすい

入力フォームに必須項目や入力形式を設定すると、未入力のまま提出されることや、形式の異なる情報が登録されることを防ぎやすくなります。

本人が入力した情報をそのまま利用できれば、手書き文字の読み取りや本部での転記も不要になります。
不備確認のために店舗と本部が何度も連絡を取り合う負担を減らせます。

メリット3:スマートフォンで入社手続きを進められる

アルバイトやパートの入社手続きでは、本人が使い慣れたスマートフォンから入力できることが重要です。
店舗へ書類を取りに行く前でも手続きを進められるため、採用決定から初出勤までの準備を行いやすくなります。

通勤経路や交通費なども本人が入力できれば、店長や本部担当者が聞き取って代理入力する作業を減らせます。

メリット4:店舗別の進捗を把握しやすくなる

入社手続きをシステム化すると、提出前、本人入力中、店舗確認中、本部確認済みといった進捗を確認しやすくなります。

未提出者や確認待ちの対象者が分かれば、本部から店舗へ個別に問い合わせる回数を減らせます。
採用人数が多い時期でも、対応が必要な手続きを整理しやすくなります。

メリット5:保管・検索・情報管理を効率化できる

電子化された入社情報は、従業員ごとに整理して管理しやすくなります。
必要な情報を確認する際に、キャビネットやファイルの中から紙を探す手間を減らせます。

紙の印刷、郵送、ファイリング、保管スペースにかかるコストの削減にもつながります。

項目 紙による入社手続き 電子化後の入社手続き
書類の配布 店舗で印刷し、本人へ手渡し 本人へオンラインで案内
情報入力 本人が手書きで記入 本人がスマートフォンなどから入力
不備確認 本部到着後に確認し、店舗経由で差し戻し 必須入力や形式チェックで不備を防止
進捗管理 メールや表計算ソフトで個別管理 管理画面で店舗別・従業員別に確認
勤怠への登録 書類を見ながら再入力 登録情報を連携して二重入力を削減
保管 ファイルやキャビネットで保管 データとして検索・管理

電子化を検討したい主な入社書類

入社時に取り扱う書類は、企業、雇用形態、担当業務によって異なります。
まずは現在使用している書類を洗い出し、電子化する対象と、別途確認が必要なものを整理しましょう。

  • 入社情報登録票
  • 労働条件通知書
  • 雇用契約書
  • 誓約書
  • 身元保証に関する書類
  • 通勤経路・交通費申請書
  • 給与振込口座に関する情報
  • マイナンバーの提出・本人確認書類
  • 扶養控除等申告書などの税務関連書類
  • 雇用保険・社会保険の手続きに必要な情報
  • 各種資格証明書
  • 社内規程や情報管理ルールへの同意書

書類によっては、交付方法や本人同意、保存方法などに条件が設けられている場合があります。
電子化を進める際は、関係法令や自社の運用を確認し、必要に応じて社会保険労務士などの専門家へ相談してください。

マイナンバーは通常の個人情報と分けて安全に管理する

入社時には、税務や社会保険などの手続きに使用するため、従業員からマイナンバーの提出を受ける場合があります。
マイナンバーは、氏名や住所などの一般的な個人情報とは異なり、利用目的や取り扱う担当者を明確にしたうえで、適切に取得・保管する必要があります。

紙で提出を受ける場合、店舗での一時保管、封筒による本部への送付、担当者への受け渡しなど、複数の工程で紛失や閲覧のリスクが発生します。
電子化する際は、通信や保存時の安全対策、閲覧権限、操作履歴、保管期間終了後の削除方法などを確認しましょう。

マイナンバー管理で確認したいポイント

  • 利用目的を本人へ明示できるか
  • 番号確認と本人確認を適切に行えるか
  • 閲覧できる担当者を制限できるか
  • データを安全に送信・保管できるか
  • 閲覧や操作の履歴を確認できるか
  • 不要になった情報を適切に削除・廃棄できるか

入社書類だけを電子化しても効率化が進まない理由

入社書類をオンラインで提出できるようにしても、その後に本部担当者が情報を印刷したり、別のシステムへ手入力したりしていては、十分な効率化につながりません。

入社情報と勤怠情報が分断される

入社手続きと勤怠管理を別々に運用すると、氏名、社員番号、所属店舗、雇用区分、入社日など、同じ情報を複数のシステムへ登録することになります。

入力間違いや登録漏れが起きると、初出勤日に打刻できない、シフトへ登録できないといった問題につながる可能性があります。

雇用契約後の業務まで見直す必要がある

入社手続きの後には、従業員マスタの登録、アカウント発行、所属店舗の設定、シフト作成、打刻、勤怠実績の管理などが続きます。

そのため、入社書類を電子化する際は、書類提出だけを切り離して考えるのではなく、入社後にどの情報をどこで利用するのかまで整理することが重要です。

目指したい入社手続きの流れ

  1. 入社予定者へオンラインで手続きを案内する
  2. 本人がスマートフォンから入社情報を入力する
  3. 必要書類を提出し、雇用条件を確認する
  4. 店舗責任者と本部が内容を確認する
  5. 確定した従業員情報を勤怠管理へ連携する
  6. シフト・打刻・勤怠実績の管理を開始する

入社書類を電子化する進め方

入社書類の電子化を成功させるには、システムを導入する前に、現在の業務と役割分担を整理する必要があります。

STEP1:現在使用している入社書類を洗い出す

まずは、正社員、アルバイト、パートなど、雇用区分ごとに使用している書類を一覧にします。
店舗独自の書類が使われていないか、本部が把握していない申請がないかも確認しましょう。

書類の名称だけでなく、誰が作成し、誰が確認し、どこで保管しているかまで整理すると、現在の業務負担が見えやすくなります。

STEP2:現在の入社手続きフローを可視化する

採用決定から初出勤までの流れを書き出します。
本人、店舗、本部の誰が、どのタイミングで何をしているのかを整理しましょう。

特に、書類の受け渡し、内容確認、差し戻し、システムへの転記など、人の手を介している工程は重点的に確認します。

STEP3:電子化後の役割と承認ルールを決める

電子化後も、すべてを本部だけで確認するのか、店舗責任者が一次確認するのかによって業務フローは変わります。

本人入力、店舗確認、本部承認、勤怠登録までの役割分担を明確にし、手続きが滞った場合の連絡先や対応方法も決めておきます。

STEP4:一部店舗で試験運用する

すべての店舗で一斉に切り替える前に、採用数や雇用形態が異なる複数の店舗で試験運用すると、実際の課題を把握しやすくなります。

本人が迷いやすい入力項目、店長から問い合わせが多い操作、例外対応が必要な書類などを確認し、運用ルールを調整します。

STEP5:マニュアルを整備し、全店舗へ展開する

新入従業員向け、店舗責任者向け、本部担当者向けに、必要な手順を分けて案内します。

操作方法だけでなく、電子化する目的、紙での提出が必要になった場合の対応、個人情報の取り扱いも共有することが重要です。

電子化システムを選ぶ5つのポイント

ポイント1:スマートフォンから入力しやすいか

アルバイトやパートを含む幅広い従業員が利用するため、操作の分かりやすさは重要です。
専用端末や複雑な初期設定がなくても、本人のスマートフォンから手続きを進められるか確認しましょう。

ポイント2:多店舗の進捗を一元管理できるか

店舗別、入社予定者別、手続き状況別に情報を確認できると、本部が対応すべき対象者を把握しやすくなります。

店長が自店舗の対象者だけを確認できるなど、役割に応じて表示範囲を設定できるかも確認したいポイントです。

ポイント3:雇用契約や交通費申請まで対応できるか

本人情報の収集だけでなく、雇用契約の締結や交通費申請まで同じ流れで行えると、紙で残る業務を減らせます。

自社で利用している書類や承認手順に合わせて運用できるかを確認しましょう。

ポイント4:勤怠管理と連携できるか

入社情報を勤怠管理へ連携できれば、本部担当者による二重入力を減らせます。
入社後のシフト作成、打刻、勤怠実績管理へスムーズに移行できるかを確認することが重要です。

ポイント5:自社の運用に合わせて設定できるか

多店舗企業では、雇用区分、ブランド、店舗、役職によって必要な書類や承認者が異なることがあります。

現在の業務をそのまま電子化するだけでなく、不要な作業を見直しながら、自社に合った流れを構築できるシステムを選びましょう。

確認項目 チェックする内容
本人の操作性 スマートフォンから迷わず入力・提出できるか
多店舗管理 店舗別・対象者別に進捗を確認できるか
対応業務 入社情報、雇用契約、交通費申請などをまとめて管理できるか
勤怠連携 確定した従業員情報を勤怠管理へつなげられるか
権限設定 本部、店長など、役割に応じて閲覧・操作範囲を設定できるか
柔軟性 雇用区分や自社の承認フローに合わせて設定できるか

まかせてネットのHRシステムで入社手続きを効率化

入社手続きから勤怠連携までを一つの流れで管理

まかせてネットのHRシステムは、入社に必要な書類の提出、本人情報の入力、交通費申請、雇用契約などをデジタル化し、入社手続きにかかる店舗と本部の負担を軽減します。

確定した従業員情報は勤怠管理へ連携できるため、入社後のシフト作成や打刻管理へスムーズにつなげられます。
紙の回収だけでなく、入社から勤怠までを一つの流れで見直したい企業に適しています。

  • スマートフォンからの入社情報入力
  • 必要書類の電子提出
  • 交通費申請・雇用契約
  • 店舗・本部での確認
  • 勤怠管理への従業員情報連携

入社書類の電子化に関するよくある質問

入社書類はすべて電子化できますか?

多くの入社関連書類は電子化を検討できますが、書類の種類や交付方法、自社の運用によって確認すべき条件が異なります。
現在使用している書類を整理し、本人同意や保存方法を含めて、関係法令や専門家の見解を確認しながら進めてください。

スマートフォンを持っていない従業員にはどう対応すればよいですか?

店舗や本部の端末から入力できるようにする、担当者が操作を補助する、必要に応じて紙での手続きを残すなど、例外対応をあらかじめ決めておくことが大切です。

電子化を理由に入社手続きが進められない人が出ないよう、代替手段を用意しましょう。

紙の書類をスキャンして保存するだけでも電子化になりますか?

紙をスキャンして保存することで、検索や保管の負担を軽減できる場合があります。
ただし、本人が紙へ記入し、本部が別システムへ転記する流れが残るため、入社業務全体の効率化には限界があります。

本人入力、確認、承認、勤怠連携までを含めて見直すと、より大きな効果を期待できます。

入社書類の電子化で店長の負担も減らせますか?

書類の印刷、配布、回収、一時保管、本部への郵送などを減らせるため、店長の事務負担軽減につながります。

本部が進捗を確認できる仕組みにすれば、店長が未提出者の一覧を作成したり、個別に状況を報告したりする作業も減らせます。

入社手続きと勤怠管理を連携するメリットは何ですか?

本人が入力した氏名、入社日、所属店舗、雇用区分などを勤怠管理へつなげることで、同じ情報を再入力する手間を減らせます。

入社後のシフト作成や打刻設定へ移行しやすくなり、初出勤前の準備漏れや登録間違いの防止にもつながります。

まとめ:入社書類の電子化を、入社後の業務効率化につなげよう

入社書類の電子化は、紙の削減だけでなく、店舗と本部の入社手続きを見直す取り組みです。
本人がスマートフォンから情報を入力し、店舗と本部がオンラインで確認できるようにすることで、書類の回収、不備確認、郵送、転記、保管にかかる負担を減らせます。

特に多店舗企業では、店舗別の進捗を把握し、入社情報を一元管理できることが重要です。
さらに、入社手続きから雇用契約、勤怠管理までをつなげることで、入社後のシフト・打刻管理にもスムーズに移行できます。

まかせてネットの案内キャラクター

まかせてネットのHRシステムは、入社に必要な書類の電子提出、スマートフォンからの情報入力、交通費申請、雇用契約、勤怠連携までをデジタルでサポートします。
入社書類だけでなく、その後の労務管理まで含めて効率化できる仕組みを検討しましょう。

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