2026年1月14日

飲食店のQSC(qsc)とは?品質・サービス・清潔さを“成果が出る運用”に変える方法

この記事の要約

QSCとは、飲食店の評価軸となるQuality(品質)・Service(サービス)・Cleanliness(清潔さ)の3要素です。
ただ「意識する」だけでは、繁忙やシフト変動で品質がブレたり、清掃・衛生記録が抜けたりして、店舗体験が日替わりになりがちです。
本記事では、QSCの基本から、崩れる原因(よくあるズレ)店舗で再現できる改善手順チェック項目例多店舗で揃える“例外管理”まで整理します。
後半では当社の視点として、まかせてネットでQSCを日次運用に落とす考え方(見える化・タスク化・未処理の把握)もまとめます。

飲食店のQSC(qsc)とは?まず押さえる基本

QSCとは

QSC(qsc)とは、飲食店や接客業の店舗で重視される「品質(Quality)」「サービス(Service)」「清潔さ(Cleanliness)」の3要素をまとめた考え方です。
料理の味や見た目だけでなく、入店から退店までの体験全体が評価される飲食店において、QSCは“また来たい”を作るための土台になります。

ただしQSCは、単にスローガンとして掲げるだけでは維持できません。繁忙で余裕がなくなる日、シフトが薄い日、新人比率が高い日、応援スタッフが入る日など、条件が変わるたびに体験品質がブレると、口コミ評価やリピートに影響が出やすくなります。
そのため重要なのは、「意識」ではなく基準(標準)と運用(毎日の回し方)をセットで整えることです。

QSCは“別々”ではなく、連動して評価される

QSCの3要素は、それぞれ独立しているように見えて、実際は強く連動しています。
たとえば料理が美味しくても、テーブルやトイレの清潔感に不安があると「安心して食事できない」と感じられます。
逆に店内が清潔でも、案内や提供が雑だと「全体的に雑な店」という印象になり、料理の評価まで下がることがあります。

つまりQSCは「どれか1つを頑張る」よりも、最低ラインを落とさずに揃えることが成果に直結します。
特に多店舗運営では、店舗ごとの“当たり前”がズレるほどブランド体験が不安定になります。

  • ✅ Q(品質):味・温度・見た目・提供スピードなど「料理そのもの」と「提供の安定」
  • ✅ S(サービス):挨拶・待ち時間対応・説明力・クレーム初動など「体験の印象」
  • ✅ C(清潔さ):客席・トイレ・厨房・衛生記録など「安心の根拠」

QSC(qsc)はなぜ重要?売上・口コミ・安定経営に効く理由

QSCが重要なのは、「料理が美味しいかどうか」だけではお客様の評価が決まらないからです。
飲食店は“食事”と同時に“体験”を提供しており、入店から退店までの流れのなかで、品質・サービス・清潔さがまとめて判断されます。
特に近年は口コミやSNSによって体験が可視化されやすく、ちょっとした不満が拡散する一方、安定した満足が継続すれば指名来店やリピートにつながります。

また、QSCは「売上を増やす話」だけではなく、クレーム対応・作り直し・衛生事故・離職など、ムダな損失を抑える点でも経営に効きます。
QSCが整うほど店舗の判断がラクになり、教育や引き継ぎもスムーズになりやすいのが特徴です。

QSCが整うと“経営が安定する”理由

QSCが整うと、店舗の体験品質が日替わりになりにくく、結果として売上や評価が安定しやすくなります。
「良い日もあるが悪い日もある」状態は、口コミ評価が割れやすく、リピートが伸びづらい典型パターンです。
逆に、最低ラインが揃っている店舗は、繁忙日でも大崩れしにくく、クレームが減ることで店舗のストレスも下がります。
こうした積み重ねが、離職抑制や教育効率の改善にも波及していきます。

補足:QSCは「顧客満足」だけでなく、「店舗負荷の軽減」「教育の再現性」「クレーム・事故リスクの抑制」にも効く“土台の指標”です。

QSCが崩れる飲食店に共通する「3つのズレ」

QSCが崩れる店舗の多くは、スタッフの能力不足よりも“仕組み不足”が原因です。
忙しい日は誰でも余裕がなくなりますが、基準や優先順位が整っていれば、最低限の品質や清潔さは守れます。
逆に「人によって判断が違う」「忙しいとやり方が変わる」「確認の仕組みがない」状態だと、同じ店でも日によって体験品質が変わり、口コミ評価が安定しません。

ズレ①:基準が“感覚”になっている(属人化)

「このくらいでOK」「いつもこうしてる」といった感覚運用が増えると、ベテランがいない日や新人比率が高い日、応援メンバーが入った日に一気に崩れます。
多店舗では店舗ごとに“当たり前”が違い、ブランドとしての一貫性が失われやすくなります。
まずは“OKライン(最低基準)”を言語化し、誰が見ても同じ判断ができる状態にすることが第一歩です。

ズレ②:日次の抜け漏れが積み上がる(気づいた時には遅い)

清掃・温度記録・仕込み・在庫・締め作業などは、1日サボっても目立ちにくい一方で、数日分が積み上がると事故やクレームに直結します。
「今日はいいか」が連鎖すると、月末にまとめて修正する羽目になり、店舗の負担が増えます。
抜け漏れをゼロにするのは難しくても、“未実施が見える状態”にするだけで改善スピードは上がります。

ズレ③:結果でしか気づけない(先に異常を検知できない)

QSCが落ちても、売上や口コミに表れるまでタイムラグがあります。
結果が出たときには原因が複数重なっていて、対策が曖昧になりがちです。
だからこそ、チェックや記録を「監査」ではなく「早期検知」として設計し、店舗が自分で気づける仕組みを作ることが重要です。

  • ✅ 基準の言語化:OK/NGの例を作る(写真・数値・手順)
  • ✅ 日次運用:最低限のチェックをルーティン化する
  • ✅ 例外管理:未実施・異常値だけを拾って潰す

Quality(品質)を上げる:まず「最高」より「ブレない」を作る

品質(Quality)を点検・評価するイメージ

品質(Quality)は、味・見た目・温度・提供速度・食材の鮮度・量の安定などを含みます。
品質改善というと「もっと美味しく」「もっと映える盛り付け」といった方向に意識が向きがちですが、飲食店の評価を安定させるうえで最優先なのは“ブレないこと”です。
看板メニューほど、お客様は前回の体験を基準にするため、味や量、温度、提供スピードが日替わりになると満足度が下がりやすくなります。

品質が落ちる原因は“料理”だけではない

品質の低下は調理スキルの問題として片付けられがちですが、実際にはオペレーション由来のケースが多いです。
たとえば提供遅延で料理が冷める、仕込み量が合わず欠品や作り置きが増える、代替食材のルールが曖昧で味がブレる、といった状況は「忙しい日ほど起きる」典型例です。
原因を“工程・導線・準備・判断ルール”に分解しておくと、誰が見ても改善点が明確になり、再発しにくい運用に変えられます。

品質向上の具体策(店舗で効く順)

品質向上は、すべてを一気に変えるよりも「影響が大きい部分」から順番に整える方が成功します。
まずは売上の大きいメニューやクレームが出やすいメニューから、OKライン(温度・量・盛り付け・提供時間)を決め、守るための工程や準備を見直すのが基本です。
さらにピーク時に崩れないよう、導線や役割分担を設計すると、品質が“たまたま良い日”ではなく“いつも安定して良い”状態に近づきます。

論点 チェックの観点 改善の打ち手(例)
味のブレ 分量・加熱時間・手順が人で違わないか 工程の分解/重要ポイントの明文化(温度・時間)
盛り付けのブレ 見た目・量が日替わりになっていないか 写真でOK例/NG例/量目の統一
提供遅延 ピーク時に詰まりが起きていないか 導線の整理/先出し優先順位/受け渡しルール
欠品・作り置き過多 仕込み量が売上の動きに合っているか 仕込み基準/販売予測/在庫の見える化

Service(サービス)を上げる:接客は“分解”して揃える

接客(Service)のイメージ

サービス(Service)は、挨拶や言葉遣い、注文対応、説明、気配り、クレーム初動など、顧客体験の印象を決める要素です。
ただし接客は属人化しやすく、「できる人がいる時は良いが、そうでない日は崩れる」状態が起きやすいのが難点です。
だからこそサービス改善は、スタッフの性格やセンスに頼るのではなく、入店から退店までの体験を場面ごとに分解し、最低限守るべき行動を標準化することが効果的です。

サービスの品質は「場面」で決まる

接客を「丁寧に」「笑顔で」といった抽象表現だけで改善しようとすると、店舗で再現性が上がりません。
実際の評価は、第一声・案内の速さ・注文時の確認・提供時の一言・会計時の待たせ方など、“瞬間”の積み重ねで決まります。
場面を切り分けて「ここだけは絶対守る」という基準を置くと、ベテランと新人の差が縮まり、店舗間のばらつきも抑えられます。

ピーク時にサービスが崩れる原因と対策

ピーク時にサービスが崩れるのは、忙しさそのものより“役割の曖昧さ”が原因であることが多いです。
誰が案内するのか、誰が会計待ちをさばくのか、クレーム初動は誰が持つのかが決まっていないと、全員が目の前の作業に追われてお客様への対応が後回しになります。
逆に、ピーク帯だけでも担当を固定し、優先順位(案内→待ちの声かけ→提供→会計など)を決めておくと、サービス品質は大きく安定します。

  • ✅ 入店〜案内:第一声、目線、案内スピード、待ち時間の見通し提示
  • ✅ 注文:復唱、アレルギー確認、提供目安の説明
  • ✅ 提供:料理説明、遅れそうな場合の先出し・声かけ
  • ✅ 会計〜見送り:待たせ方、混雑時の誘導、最後の一言

Cleanliness(清潔さ)を徹底する:清潔は“見た目+記録”で守る

清潔さ(Cleanliness)の点検・清掃のイメージ

清潔さ(Cleanliness)は、料理や接客より先に「安心できる店かどうか」を判断される要素です。
床やテーブルのベタつき、トイレの臭い、ゴミの状態などは一度気になると強く印象に残り、再来店を遠ざけます。
さらに飲食店では、清潔さは“見た目”だけでなく衛生管理が回っている裏付け(記録)でもあります。

忙しい日ほど清掃や記録が後回しになりがちですが、だからこそ清潔さはチェックの仕組みが必要です。
担当・タイミング・基準・記録の4点を揃えると、気合いに頼らず抜け漏れを減らしやすくなります。

清潔さが落ちる原因は“忙しさ”ではなく“抜け漏れ”

清掃は「やろうと思えばできる」作業に見えますが、現実には抜け漏れが発生しやすい領域です。
担当が曖昧、タイミングが曖昧、基準が曖昧、記録がない──この状態だと、真面目にやっていても“やったつもり”が増えていきます。
まずは「最低限の清潔さ」を守るために、項目を絞って運用を回し、未実施が見える状態にするのが近道です。

補足:清潔さは「客席の見た目」+「衛生の裏付け(温度・消毒・体調確認など)」の両方が揃うと、安心の評価が安定しやすくなります。

QSCの数値化:チェックシート・アンケートを改善ループにする

QSCチェックリスト

QSCは感覚評価になりやすいため、「なんとなく良くなった」「忙しくてできなかった」で終わりがちです。
そこで有効なのが数値化です。ただし数値化は“評価のため”ではなく、“改善のため”に行うのがポイントです。
行動(チェック実施率・記録入力率・研修実施など)と結果(クレーム・口コミ・提供時間など)を分けて見れば、何を変えれば結果が動くのかが掴みやすくなります。

チェックシートで「最低ライン」を揃える

チェックシートの目的は、店舗を縛ることではなく、最低ラインの抜け漏れを減らすことです。
細かすぎる項目は運用が崩れます。最初は「事故につながる」「クレームにつながる」「売上に影響する」項目から優先して設計すると、継続しやすく効果も出やすくなります。

領域 チェック項目例 頻度(例)
Quality(品質) 提供温度/盛り付け基準/提供遅延の有無/欠品の有無 日次(ピーク前後)
Service(サービス) 第一声/待ち時間の声かけ/注文復唱/会計待ちの誘導 日次(シフト交代時)
Cleanliness(清潔さ) トイレ/客席/厨房衛生/ゴミ/身だしなみ 日次(開店前・営業中・閉店後)

アンケート・口コミを「改善材料」に変える

アンケートや口コミは、集めるだけでは意味がありません。
「どの項目が低いか」だけでなく、「なぜ低いか」を掘り下げ、店舗の行動に落とすところまでがセットです。
たとえば清潔感が低いなら、トイレなのか客席なのか、時間帯はいつか――まで分けると打ち手が具体化します。
サービスが低いなら、待ち時間対応なのか説明不足なのか、ピーク帯だけなのか――を切り分けることで、教育や配置の改善につながります。

多店舗経営のQSC管理:全店を見るより「例外だけ見る」

多店舗経営でQSCが難しいのは、本部が全店の細部を毎日確認できないからです。
全店を均一に監査しようとすると、チェックは形骸化し、店舗は疲弊します。
そこで現実的なのが“例外管理”です。店舗は日次で最低ラインを守り、本部は未実施・異常値・クレーム増など「例外」だけを拾って介入します。

例外管理で回すと、改善が速くなる理由

例外管理にすると、本部の確認負担が減るだけでなく、改善の優先順位が明確になります。
「未実施が多い店舗」「提供遅延が増えている時間帯」「トイレ評価が落ちている店舗」など、問題が起きている場所にだけ集中できるためです。
また、良い店舗のやり方が見つかったときに横展開しやすく、QSCの標準化が進みます。

  • ✅ 店舗:日次で“最低ライン”を守る(チェックと記録を回す)
  • ✅ 本部:未実施・異常値・クレーム増など“例外”に介入する
  • ✅ 全社:良い店舗の型を標準化し、横展開する

当社のQSC管理:まかせてネットで日次運用に落とす

ここからが一般的なQSC解説との差別化ポイントです。
まかせてネットでは、QSCを「意識」や「教育」だけに頼らず、店舗の記録→本部の確認→是正→横展開までを日次で回せる形に落とし込みます。
具体的には、店舗カルテ(QSC記録)やHACCP記録を“その場で残す”ことで、店舗の抜け漏れを減らしつつ、本部は未実施・不備・要是正などの例外だけを見て対応できます。
この「データ(記録)×タスク(やること)×アラート(例外通知)」の運用が回りはじめると、店舗間のばらつきが小さくなり、多店舗でもQSCを揃えやすくなります。

品質(Q):チェックの「記録→是正→共有」で“同じ品質”を揃える

品質のブレは、味付けや盛り付けの差だけでなく、忙しい時間帯の手順抜け・確認漏れ・新人比率など“運用の揺れ”で起きがちです。
まかせてネットのQSC記録(店舗カルテ)では、品質に関わるチェックを日次で残し、写真・コメントも含めて「いつ/どこで/何が起きたか」を本部と同じ基準で見られる運用にできます。
問題が出た店舗だけを拾って是正し、良かったやり方は横展開する——この回し方が定着すると、店舗間のばらつきが小さくなります。

サービス(S):ピーク帯の崩れを減らす(配置・シフト設計)

サービス品質は「忙しい時」に崩れやすいですが、原因は接客スキルだけでなく、ピーク帯の役割抜け・引き継ぎ不足・待ち時間対応の遅れなど“運用の揺れ”で起きがちです。
まかせてネットでは、各社・各ブランドの考えるサービス基準に合わせて、チェック項目(確認観点)を自社で設計し、店舗カルテ(QSC記録)として日次運用に落とし込めます。

例えば、入店〜案内/待ち時間対応/注文確認/提供時のひとこと/会計・見送りなど、店舗体験を場面ごとに分解し、「ここだけは必ず守る」をチェック項目として定義します。
すると店舗側は“何を確認すればいいか”が明確になり、実施状況も記録として残るため、口頭共有や記憶頼みになりにくくなります。

本部(SV)は、全店を細かく監査するのではなく、未実施・不備・要是正などの例外が出ている店舗だけを見てフォローできるため、負担を増やさずに改善を回しやすくなります。
さらに、良かったやり方や注意点をチェック項目・運用ルールとして整備し直すことで、店舗間のばらつきを抑えやすくなります。

清潔さ(C):HACCP・衛生記録を“抜け漏れしにくい運用”にする

清潔さは“見た目”と“裏付け(衛生記録)”の両方が必要です。紙運用だと忙しい日に後回しになり、未記入や確認漏れが起きやすくなります。
日々の記録が運用に組み込まれると、「やったつもり」を減らせるだけでなく、問題が起きた際の原因追跡もしやすくなります。

売上・勤怠・仕入(発注)・衛生管理/店舗カルテ(QSC/HACCP)を同じ場所で見られると、店長やSVが「毎日確認する画面」が一本化されます。
見るものが散らばらない運用は、確認漏れを減らし、日次の習慣として定着しやすくなります。
関連機能:売上管理勤怠管理仕入・発注管理HACCP

まかロボ君(案内ポーズ)

まかロボ君

QSCは「店舗の頑張り」ではなく「日次運用」で強くなる

重要なのは、全部を完璧に見ることではなく、最低ラインを守るためのチェックを回し、未実施や異常(例外)にだけ集中できる状態にすることです。
例外管理が回りはじめると、本部と店舗の会話が「気合」から「原因と打ち手」に変わり、改善が速くなります。

まとめ:QSCは“標準化→日次運用→例外管理”で強くなる

QSC(qsc)は、飲食店の体験品質を支える基本指標です。品質・サービス・清潔さは別々に見えて連動して評価されるため、どれか1つを頑張るよりも、最低ラインを落とさずに揃えることが重要です。

QSCが崩れる原因は、能力不足よりも「基準が曖昧」「日次の抜け漏れ」「結果でしか気づけない」といった運用上のズレにあります。
だからこそ、工程・場面・箇所に分解して標準化し、チェックと記録を日次で回し、未実施や異常値などの例外だけを潰す――このサイクルが効きます。

多店舗運営ほど、全店を細かく監査するよりも例外管理の方が現実的です。
本部と店舗が同じ基準で見られる状態を作り、良い店舗のやり方を横展開することで、QSCは“運用で揃う指標”になります。

用語補足:この記事で出てきたQSC関連用語

  • QSC:Quality(品質)・Service(サービス)・Cleanliness(清潔さ)の総称。飲食店の体験品質の基本指標。

関連サービス

まかせてタッチ
iToGo