FC本部における加盟店への請求業務は、最も属人化しやすい領域のひとつです。
ロイヤリティ・仕入・広告料・システム利用料など扱う項目は多く、店舗数が増えるほどExcel集計や転記作業の負担が急増します。
重要なのは「正確な数字」だけではありません。
“本部と加盟店の双方が同じ基準で確認できる、透明で再現性のある運用”を構築できているかが鍵となります。
本記事では、まかせてネットの請求機能を例に、請求DXの本質を解説します。
なぜ請求が複雑化するのか?
請求業務が複雑になる主な理由は、次の3点に集約されます。
本部は毎月の売上・仕入・個別費を確定し、それらを基に請求書を作成しますが、
- データ確定のタイミングが店舗ごとに異なる
- 追加費用(個別費)が後から発生する
- 請求内容に対し加盟店から問い合わせが入る
といった“揺らぎ”が常に発生します。
この揺らぎこそがミス・手戻り・属人化の原因です。
これを抑える鍵がFCマスタです。
FCマスタが実現する「請求の標準化」
ロイヤリティ条件
請求先情報
個別費CSV
請求運用の基盤となるのがFCマスタです。
加盟店ごとのロイヤリティ条件、請求先、費用区分など、請求に必要なルールを事前に登録します。
マスタ化により、担当者ごとの判断に左右されず、Excel依存の管理から脱却できます。
追加費用がある場合も、個別費CSVアップロードで一括反映でき、手入力のミス・漏れを防止します。
まかせてネットは、このマスタをもとに請求計算〜請求書作成までを自動化します。
請求確定〜FC開示の透明なフロー
請求作業は次のステップで進みます。
- ① 請求月を選択
- ② 売上・仕入データを確定
- ③ 「請求確定」で請求書が本部側に自動生成
- ④ 内容確認後、「FC開示」で全店舗へ共有
確定 → 確認 → 開示 のプロセスが明確なため、間違いを事前に排除できます。
加盟店側も「いつ確定された請求なのか」「どの時点のデータなのか」が明確となり、納得感が高まります。
請求書は「プロセスの結果」である
加盟店が受け取る請求書(表紙・明細)は、売上・仕入・個別費、そして本部が行った確認作業の結果そのものです。
運用が整理されていれば、請求書は毎月同じ精度で安定して作成されます。
逆に運用が揺らいでいれば、その揺らぎがそのまま請求書に現れます。
つまり、本部が整えるべきは請求書そのものではなく、「請求に至るプロセス」なのです。
まとめ:請求DXがFCに与える効果
- ロイヤリティ計算〜請求書作成まで自動化し、作業時間を大幅削減
- 個別費もCSVで一括反映でき、ミス・漏れを防止
- 請求確定〜FC開示がワンクリックで完了
- 属人化が解消され、担当者変更や兼務でも品質が下がらない
- 加盟店は請求書をWebで即確認・ダウンロード可能
- 過去請求書も履歴管理され、探す手間がゼロに
請求プロセスが整うことは、組織としての「正確で、透明で、再現性のある運用」につながります。
FC本部が強くなるための重要な基盤が、まさに請求DXです。
